患者さんの立場に立って考えられる看護師を目指して

新人看護師8ヶ月研修より

看護業務や職場環境に慣れてきた入職後半年の今頃、少しずつ患者さんとの関わりに悩む時期に差しかかってきます。実際に、新人看護師さんからは、「患者さんやご家族にどんな声掛けをしたらいいか分からない」「自分の考えを伝えることが難しい」「知識不足のため対応できない」などの声が聞こえてきます。このような悩みは、一人で考えても解決できるものではありません。だからこそ、同期同士が分かり合える新人看護師研修の場で、悩みを共有したり、自分達で気づける力を養う必要があると思っています。

ロールプレイ研修の様子
ロールプレイ研修の様子

新人看護師8ヶ月研修では、ロールプレイを中心に学習を深めました。ロールプレイとは、現実に起こる場面を想定して、複数の人がそれぞれの役を演じ、疑似体験を通じて、ある事柄が実際に起こった時に適切に対応できるようになるための学習方法のことを示します。そのため、真剣にその役を演じることで、会話の学習や接遇、リーダーシップ能力・コミュニケーション能力を身につけることが出来ます。新人看護師さんには個々で悩んだ場面を取り上げ、患者役になってもらい、その人の立場になる、という体験をしてもらいました。

ロールプレイ研修の様子
ロールプレイ研修の様子

新人看護師さんの「患者さんの気持ちを理解したい」「問題を解決したい」という思いの表れでしょうか…。演じた時間はわずか7分でしたが、真剣に患者さんの役を演じたことで、どの新人看護師も、患者さんが望む対応に気づくことが出来たようでした。『コミュニケーションは言葉だけじゃない』 『ただ、思いを聴いて欲しかったんだ…』 『相手の話を傾聴するって、難しい』 など、たくさんの学びを確認することが出来ました。また、看護師役、観察者役を通して、同期の対応の仕方から自身の課題を学んでいました。皆さん、主体性をもって積極的に研修に参加しており、頼もしく感じました。

ロールプレイ研修の様子
ロールプレイ研修の様子

高度急性期病院において、「真摯に向き合い、寄り添う看護」を実践していくためには、短時間でも寄り添うことができる知識・態度・技術を身につける必要があります。今回、患者さんに寄り添うためには、その人が必要としている専門的な情報提供をするだけではなく、傾聴、共感、そばにいることなど、コミュニケーション力が必要だということに気づけた新人看護師さん。その感性を大切に、これから出会うであろう多くの人達と、こころの通うコミュニケーションをして欲しいと願っています。いよいよ、12ヶ月研修は新人看護師最後の研修です。1年間で培ってきた学びの発表を楽しみにしています。

人材育成・採用担当主任 小川