安全な看護を目指して

ヒヤリハット報告の意義について考える

入職して4ヵ月が経過しました。新しい環境下、様々な看護業務を覚えていく過程の中で、多くの新人看護師さんが「ヒヤッ」とした出来事を体験しているのではないかと思います。『ヒヤリハット』とは、事故に至る可能性があった出来事の発見のことを示します。患者さんに安全な医療を提供するためには、ヒヤリハットを収集・分析して、適切に対処する必要があります。しかし、新人看護師さんには、何が起こっているか分からないことが多く、ミスをしてしまったことにより、「自分は看護師に向いていない」と、離職に繋がってしまう可能性もあります。そのため、当センターの新人看護師研修では、毎年、医療安全に関する研修を開催しています。

看護部ヒヤリハット研修
看護部ヒヤリハット研修

今回の研修では、管理栄養士さん、薬剤師さんなどの多職種の視点から考える安全な医療についても考える機会を得ました。単に知識や技術の修得だけではなく、医療安全に対する高い意識を持ってもらうことが伝わったと感じています。管理栄養士さんの講義では、患者さんへ安全な栄養管理が提供できるよう、アレルギーに関する情報収集と多職種との連携を知ることが出来たようです。また、薬剤師さんからは、間違いやすい薬剤の取り扱いや事故予防の視点と対策、麻薬及び向精神薬取締法に基づいた管理方法について学びを深めることが出来たようでした。

看護部ヒヤリハット研修
看護部ヒヤリハット研修

リスクマネージャーからは、自身のエラーパターンの傾向を知る機会を得たり、新人看護師さんが経験しているヤリハットの内容を教えてもらう時間がありました。また、ヒヤリハット報告書が書けるように、日常生活の中にある身近な事例を用いて、同期と共に考えることが出来ました。研修後のアンケートからは、積極的に意見交換が出来ていたことや、安全対策への理解が深まったことがよく分かりました。

看護部ヒヤリハット研修
看護部ヒヤリハット研修

さて、新人看護師5ヵ月研修は、「多重課題シュミレーション」の研修を予定しています。実は、多重課題に対応できる力を身につけるためには、今回のリスクマネジメント研修で学んだ基礎知識が大変重要なのです。5ヵ月研修で新しい学びを得ることで、更に、リスクマネジメントの力も向上できることを期待して、多重課題真っただ中の新人看護師さんの助けとなれるよう、これからも楽しく学べる研修を運営していきたいと思います。一緒に頑張っていきましょう。

人材育成・採用担当主任 小川