多重課題を乗り越えたい! ~多重課題への対応力を身につける~

新人看護師さんが今直面している課題の一つに「多重課題」が挙げられます。多重課題とは、看護師が日常の仕事を通して、同時遂行を求められる2つ以上の事柄のことです。看護師の仕事は、複数の患者さんのニードの充足のための看護実践や看護業務を同時に行う必要があるため、優先順位を考えて行動する力が求められます。新人看護師さんの立場にたってみれば、やっと看護業務や職場の雰囲気に慣れてきた時期に、ジワジワと多重課題が訪れるのです。新人看護師さんには、対応力をつけて是非乗り切って欲しい!そう思い、昨年度より、集合教育で多重課題をテーマとした研修を行ってきました。

しかし、今年は残念なことに、新型コロナウイルス蔓延に伴い、研修を中止せざるを得ませんでした。それでも、動画講義に変更し、それぞれの課題に向き合ってもらうことが出来ました。

多重課題研修
多重課題研修

動画研修では、新人看護師さんが実際に困っている場面を看護部で作成し、個々で解決策を導き出してもらいました。新人看護師さんが提出してくれた課題レポートからは、学習の成果が確認できました。多重課題を可能な限り防ぐための工夫、一人で抱え込まずに報告・連絡・相談することの大切さ、患者の安全を一番に考え行動すること、自分の力量を把握する、どれも大切な視点です。動画研修を通して、客観的に、何をどのようにすればよいか考えることが出来ていたように思います。

多重課題研修

研修後、部署ラウンドをしていると、事前に情報収集し冷静に考える姿や一人で悩まず先輩に相談する姿を見かけました。多重課題に対応できるということは、患者さんの安全・安楽のためであるということが改めて理解できたからだと思います。皆さんは、これからも知識や技術を習得すると共に、多くの経験を積んでいきます。これから経験する出来事に意味付けを行い、自身で考えていく力を育んでいきましょう。

次の研修では、また皆で集まって同期で楽しく研修ができることを願っています。

人材育成・採用担当主任 小川