がん治療

地域がん診療連携拠点病院

当院は、平成16年度に厚生労働大臣により、「地域がん診療拠点病院」に指定されました(平成18年度から「地域がん診療連携拠点病院」)。今や、国民の2人に1人が がんに罹患し、3人に1人ががんで死亡する時代です。男性では、胃がん、肺がん、大腸がん(結腸がん・直腸がん)、前立腺がんが上位を占め、次いで肝臓がん、食道がん、膵臓がんの順になります。女性では、乳がん、大腸がん(結腸がん・直腸がん)、 胃がんが多く、次いで肺がん、子宮がん、膵臓がん、肝臓がんの順となります。

このようにわが国に多いがんについて、その対策のための体制確保を目的として「地域がん診療連携拠点病院」が構想されました。当院の対象地域は、山口・防府保健医療圏‐山口市・防府市‐となります。

これまでも全国がん(成人病)センター協議会の施設メンバーとして、積極的にがん診療に取り組んでまいりましたが、今後はさらに地域の医療機関等とも密接に連携を図り、山口・防府保健医療圏全体のがん診療の質の向上に努めてまいります。

地域がん診療連携拠点病院とは

「がん診療連携拠点病院」は患者さんが国内のどこに居住していても「質の高いがん医療」を受けることが出来るように、国が定めた整備指針に基づき、都道府県がん診療連携拠点病院並びに地域がん診療連携拠点病院が指定されました。都道府県がん診療連携拠点病院は山口県に1病院、山口県二次保健医療圏の地域がん診療連携拠点病院は、当院を含めて5病院が山口県から推薦され国から指定されました。

2次医療圏別のがん診療連携拠点病院等一覧表

2次医療圏 医療機関名 病院の種類 制度の種別 当初指定
岩国 岩国医療センター 地域がん診療連携拠点病院 国指定 H14.8
柳井 周東総合病院 地域がん診療連携拠点病院 国指定 H17.1
周南 徳山中央病院 地域がん診療連携拠点病院 国指定 H15.12
山口・防府 山口県立総合医療センター 地域がん診療連携拠点病院 国指定 H15.12
宇部・小野田 山口大学医学部附属病院 都道府県がん診療連携拠点病院 国指定 H19.1
下関 済生会下関総合病院 地域がん診療連携拠点病院 国指定 H27.3
長門 長門総合病院 地域がん診療病院 国指定 H27.3
都志見病院 地域がん診療病院 国指定 H27.3

 

特定領域がん診療連携推進病院(肺がん)

医療機関名 制度の種別 当初指定
山口宇部医療センター 県指定 H27.3

 

地域がん診療連携拠点病院の指定要件

  1. 手術、放射線療法および化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療および情報提供
  2. 緩和ケアの提供および「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会」の開催
  3. 地域連携クリニカルパスの整備および協力体制
  4. キャンサーボードの設置および定期的な開催
  5. 医療従事者などの研修会実施
  6. セカンドオピニオンの提示体制
  7. がん相談支援センターの設置およびがん患者への広報活動
  8. 院内がん登録の実施および地域がん登録への協力
  9. PDCAサイクルの構築

地域がん診療連携拠点病院の役割

  1. 専門的ながん医療の提供
  2. 地域におけるがん診療連携の協力
  3. がん患者さんに対する相談支援および情報提供

当院は、上記の地域がん診療連携拠点病院の役割を担い、地域住民のみなさまに質の高いがん医療を提供していくべく努力してまいります。

がん対策基本法の基本理念

  • がん研究の推進とがん予防・診断・治療等に係る研究成果の普及・活用
  • がん患者の居住地域にかかわらず適切な医療が受けられる体制の整備
  • がん患者の意向を尊重した治療方法等が選択されるような医療提供体制の整備
院内がん登録の実施

がんと診断され、治療を受けられたすべての患者について、がんの診断、治療、予後に関する情報を登録する仕組みです。

院内がん登録は複数の病院が同じ方法で行うことで、病院ごとの比較や各病院におけるがん診療の実態の把握、がん診療の質の向上とがん患者への支援、さらには国のがん対策の基礎データとして用いることができます。

当院は、国が指定する登録様式(がん診療連携拠点病院院内がん登録標準登録様式(2016年版))に準拠して院内がん登録を行っています。

緩和医療の提供

医師、看護師、薬剤師等で構成する緩和ケアチームによる緩和医療の提供を行っています。

研修会・研究会の開催

院内ならびに地域医療機関の医療従事者に対し、がん診療に関する研修会・研究会を開催しています。

>>緩和ケア研修会修了者名簿

情報提供

地域におけるがん診療に関する情報を各医療機関に、また一般へ、適切に広く公開しています。

がん相談支援

当院には「がん相談支援センター」「医療相談室」「地域医療連携室」が設置されており、あらゆる医療相談に対応しています。がん患者個人・家族の医療相談にも積極的に取り組んでいます。
また、がんと診断されて不安や悩みをもったがん患者・家族が、がん体験者や家族同士で話をすることが出来る「がん患者サロン」も設置しています。

がん相談月別件数

2023年度

4月 5月 6月 7月 8月 9月  
283 360 293 172 380 364  
10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計
347 312 291 324 242 312 3,680

 

セカンドオピニオン外来

セカンドオピニオンとは、「第二の意見」と呼ばれるように、病気で診断を受けられた場合に、診断結果や治療方針、治療方法について主治医以外の医師から意見を聞くことを言います。主治医以外の意見を聞くことで、診断や治療が適切なのか、他に良い治療方法がないのかなど、より納得のいく治療を受けることが可能となります。

当院では、セカンドオピニオン外来(予約制)を設置し、医師が相談をお受けしています。

地域連携パスの整備

当院では、「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」に基づき、がん診療における医療機関の役割分担と地域連携を進めています。

現在では、がん医療の質の保証と安全の確保を図るため、地域連携パスの整備が求められています。

胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん連携リスト

2023年4月

防府市

  • 大腸クリニックかわむら内科
  • 三田尻病院
  • 山口博愛病院
  • 防府消化器病センター 防府胃腸病院
  • 甲嶋内科
  • 桑陽病院
  • たにがわ医院
  • 古屋敷医院
  • 緑町三祐病院
  • 松本クリニック
  • 山本内科医院
  • 中司内科
  • 森下外科・整形外科医院
  • 岡澤医院
  • 寿町クリニック
  • ひらた内科呼吸器科医院
  • 渡辺内科・呼吸器科
  • 山口市徳地診療所
  • 串診療所
  • うえだ内科循環器クリニック
  • 光山医院

山口市

  • くにちか内科・循環器呼吸器科クリニック

 

在宅緩和ケア

住み慣れた場所で生活の質を保ちながらそれぞれの暮らしを続けていただくために、当院は山口・防府圏域の医療機関、訪問看護ステーションなどと連携し、在宅緩和ケアのサポートをしています。

がんリハビリテーション

手術や抗がん剤治療、放射線治療などを受けることにより、運動麻痺、摂食嚥下障害、浮腫などの障害をおこすことがあり、QOLも低下します。

当院では、がんの治療とともに、リハビリテーションにより患者さんの回復力を高め、残っている機能を維持・向上させて今までと変わらない生活が送れるよう支援しています。

がんリハビリテーション月別単位数

2016年度

4月 5月 6月 7月 8月 9月  
153 284 205 123 244 192  
10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計
282 257 226 200 130 169 2,465