脳神経内科

神経内科ミーティング風景

脳神経内科という診療科を一言で表現しますと、脳・脊髄・末梢神経および筋肉の疾患を内科的に診断・治療する科ということになります。脳卒中、頭痛(片頭痛、緊張型頭痛など)、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋ジストロフィー、重症筋無力症、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などが代表的な病気です。ごくごく身近な病気(脳卒中、頭痛など)からいわゆる難病といわれている難しい病気までがここに並んでいます。
これらの病気が原因でおこる症状としては、歩きにくい、立てない、転びやすい、しびれや痛みがある、手足や首がふるえる、動作が遅い、しびれや痛みがある、意識がはっきりしない、時々意識がなくなる、けいれんがおこる、頭が痛い、めまいがする、物忘れが多い、言葉がはっきりしない、言葉がよくわからない、まぶたが下がる、ものが二重に見える、顔が曲がっている、顔の一部がピクピクする、ものが飲み込みにくい、むせる、舌がもつれる、体や手足に力が入らないなど日常生活を営む上で強い障害となる症状ばかりです。

ここ10年あまりの神経科学の進歩はすさまじいもので、神経疾患の治療は確実にこの恩恵を受けています。たとえば、トリプタン系といわれる薬によって片頭痛の患者さんの多くが強い苦痛から解放され、さらに抗CGRP抗体注射による片頭痛予防、パーキンソン病に対する治療も年々よくなっているのを実感します。新規抗てんかん薬が次々に登場し、近々認知症の新しい薬も発売されます。一方、研究の進歩にかかわらず、依然として有効な治療法を見出すことが出来ないものもあります。しかし、治療法が見出されていない疾患に対しても、私たち脳神経内科医が果たすべき役割があります。患者さん、家族が障害をもっていても生活できる社会の実現のために、在宅医療や緩和ケアに関わる医療チームを組織するのも脳神経内科医の重要な仕事です。

わたしたちは山口大学医学部脳神経内科と連携を結び、地域に根ざした診療を第一に考えます。

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