心臓血管外科

当科は1994年秋より新しい診療科として診療、手術を開始しました。現在心臓血管外科専門医修練施設として認定されております。現在のスタッフは2名と少ないですが、他科との協力のもと診療、手術に尽力しております。診療科開設より手術成績は安定し満足できるものと考えております。

当科の扱う心疾患は大きく先天性心疾患と後天性心疾患に分類されます。当科において患者さんはほとんど成人で、主に後天性心疾患の治療を行っております。

扱う疾患は狭心症、心筋梗塞に代表される虚血性心疾患があります。手術は冠動脈バイパス手術を主に行い、合併症である心破裂、心室中隔穿孔に対する治療も行っております。虚血性心疾患に関しては循環器内科による治療が積極的に行われるため、患者さんの数は増えていますが、外科対象となる患者さんは若干減少しております。

次に弁膜症手術、すなわち心臓に4つある弁に対する手術でそれぞれに弁形成術、あるいは人工弁置換術を行います。現在当科で治療する最も多い疾患は弁膜症となっております。これは高齢化により弁の変性した患者さんが多い事と、手術が以前より安全となり高齢者に対しても積極的に手術を行っているためです。

近年全国的に増加傾向にある大動脈の疾患は真性動脈瘤、解離性動脈瘤がありますが、これに対しては人工血管置換術を行っております。大動脈瘤においてもステント治療が行われておりますが、当院においては外科の血管外科グループにより施行されております。

先天性心疾患に関しては成人となった患者さんには手術を行いますが症例は少数にとどまっております。

患者さんの治療は術前術後において循環器内科や他科および各職種の人たちと緊密な連携のもと最善の治療を行っております。