病院機能評価(3rdG:Ver.2.0)の認定を受けました

当院は令和元年10月に、公益財団法人 日本医療機能評価機構による病院機能評価の更新審査を受審し、令和2年1月6日付で認定(認定4回目)されました。

病院機能評価認定証の画像

病院機能評価とは

病院組織全体の運営管理および提供される医療について、日本医療機能評価機構が中立的、科学的・専門的な見地から4つの評価領域(1領域「患者中心の医療の推進」、2領域「良質な医療の実践1」、3領域「良質な医療の実践2」、4領域「理念達成に向けた組織運営」)から成る評価項目に沿って評価し、一定の水準を満たした病院が認定されます。

評価水準は改定時に引き上げが行われており、平成30年から運用されている最新評価バージョン(3rdG:Ver.2.0)により評価され認定されています。
 

3項目でS判定の結果に

各審査項目は、「S:秀でている」、「A:適切に行われている」、「B:一定の水準に達している」、「C:一定の水準に達しているとはいえない」の4つのレベルで判定されます。今回の審査では89項目中、3項目においてS判定の結果となりました。
 

S判定の取り組みについて

1.3.1 安全確保に向けた体制が確立している

医療安全推進体制の根幹である医療安全推進室は10人の多職種で構成されています。半数は医療安全管理者の資格を取得しており安全に対する意識を高く持っています。

どんな些細なヒヤリハットでも報告をあげ、活発に情報交換を行っています。そのため、医療安全推進室が発信する情報は透明性が高く保たれており、日夜タイムリーに患者さん目線で組織的に対応しています。10年の歳月をかけ、徐々に築き上げられた安全の醸成度は部門同士の良好なコミュニケーションの積み重ねです。良好なコミュニケーションを土台に医療安全活動、ラウンドや啓発イベントは部門同士が協力しながら実践しています。特に、11月の医療安全推進週間に行う啓発活動は、患者さんや職員を巻き込んで、多くの方に医療安全活動に注目していただける方法を毎年考えています。

医療の現場を一番よく知っているのは患者さんです。これからも患者さんから改善に繋がるヒントを教えていただき、ともに医療安全について語ることができる、そのようなオープンな場を作っていきたいと思っています。

医療安全推進室:師長 木原 雅子
 

1.5.2 診療の質の向上に向けた活動に取り組んでいる。

今回この項目でS判定を受けることができたのは、下記のような当院独自の取り組みが評価されたためだと考えています。

  • 多職種を含む院内症例検討会やカンファレンスには院外医師も参加可能で、地域の病診連携や診療レベルの向上に努めていること。
  • 院内クリニカルパスの作成は200件を超え(適応率は90%超)、パス大会を毎年行い改善に取り組んでおり、また地域連携パスも4件適応可能な状況にあること。
  • 学会発表後のポスターを医局前の掲示板に張り出すことで、初期研修医や他診療科の医師、多職種のスタッフにも自分の行っている医療をアピールするよう促していること。
  • 毎年末に事務系スタッフも出席できる「山口県立総合医療センター学術講演会」を開催し、各診療科の常勤医師がアピールしたい診療(症例や手技等)を発表し、質疑・応答の時間を設けた後、初期研修医、院長、副院長が評価・採点する講演会を開催しており、昨年で9回目を数えたこと。

など、医師だけではなく、院内全ての職員で診療の質の向上を目指して努力しています。

今回の好評価を受けて、さらに診療レベルの向上に努めたいと思います。

受審準備部会座長:副院長 中村 康彦
 

3.1.2 臨床検査機能を適切に発揮している

病院機能評価で臨床検査に関しては「病院の機能、規模に応じた臨床検査が適切に実施されているか?」という視点で評価が行われました。中央検査部は、山口県内で唯一「臨床検査室国際規格ISO 15189」の認定を有しております。2007年の認定取得からすでに3回の更新を行っており、継続的に高品質の臨床検査機能を発揮している点が病院機能評価においても高く評価されました。

評価の要素として挙げられた「検査実施体制」、「検査結果の報告」、「精度管理の実施」、「検体の取り扱い」などはいずれも「ISO 15189」の要求事項の中でも軸となる項目です。作業書や手順書は既に文書化していますが、今回の受審をきっかけに見直しを行った結果、他部署との連携が必要となる事項や運用そのものが一部で変更されている事項など、さらに改善が見込める項目も見つかりました。

今回の審査では前回に引き続き「S」と評価されましたが、これにおごることなく「継続的改善」を常に念頭に業務に励んでいきたいと思います。

中央検査部:技師長 渋田 秀美
 

より質の高い医療を目指して

令和元年10月に、公益財団法人日本医療機能評価機構による病院機能評価を受審し、4度目の更新認定を受けることができました。当院は高度急性期医療を担っており、患者さんやご家族は、突然の入院や検査、治療など様々な経験をされます。看護部では患者さんやご家族の意思決定を支援していくこと、多職種チームで患者さんをサポートしていくことを目指しています。そのために患者さんの傍にいて想いを確認すること、各職種でカンファレンスを行いながら患者さんに何が必要なのかを考え実践していくことを心がけてきました。部署間・部門間でタイムリーに情報を共有し、医師や薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカーなどと連携しながら、患者さんの目標に向けてケアを提供しています。

受審当日は、外来・病棟看護師、手術部やICU看護師、専門・認定看護師が、ベテラン・若手を問わずこれまで自分たちの行ってきた看護を堂々と語ってくれました。機能評価機構から、患者さんの意思を尊重し誠実に対応していることを評価していただき、日々の努力がより良い看護の実践につながっていると実感しました。

今回の結果は一部門だけの努力で得られたものではなく、診療、看護、事務部門のそれぞれが強みを活かしコミュニケーションを図りながら、より良い医療の提供を目指してきた結果です。今回の更新認定で高評価を得ることができましたが、これに満足することなく、今後もより一層質の高い医療・看護の提供に尽力してまいります。

看護部:副部長 田島 真由美