がん治療
がん診療に係る主要機器
ライナック(治療)
主な対象がん | 脳腫瘍・肺がん・上顎がん・咽喉がん・乳がん・食道がん・転移性脳腫瘍(RS) |
診療方法 | 強力な放射線を体外から、正常な組織には少なく、がんには強い線量を照射。 |
診療目的 | 体外から放射線を照射することにより、手術せずにがんを治療。 RS(定位放射線治療)は1日で治療。 |
有用性 | 胃がん・腎がん・肝がん・膵がんは、照射困難だが、その他のがんには照射可能。 ラジオサージュリーの使用により、脳腫瘍の治療が可能。 |
乳房撮影装置(診断)
主な対象がん | 乳がん |
診療方法 | 0.1㎜以下のものも分かるようなX線像を撮る。 |
診療目的 | 小さな石灰化や繊維性変化で、がんの有無を見る。 |
有用性 | 0.1㎜以下のものも分かる。一般に触診より早期に分かる。 エコー検査後、確定診断としての撮影。 |
全身用コンピューター断層撮影装置(CT)(診断)
主な対象がん | 脳腫瘍・肺がん・縦隔腫瘍・肝がん・後腹膜腫瘍 |
診療方法 | 0.33秒/回転で64スライスのデータ収集を行い、3D(立体画像)に画像処理する。 |
診療目的 | がんの大きさ、形、周囲の変化から外科的治療、内科的治療の指針にする。 |
有用性 | 患者は、5~10分間寝ているだけ。 1㎜程度の肺がん、肝がん、リンパ腺転移骨転移等周囲の変化が分かる。 |
超伝導型磁気共鳴断層撮影装置(MRI)(診断)
主な対象がん | 脳腫瘍・骨腫瘍・脊髄腫瘍・子宮がん・副鼻腔がん・前立腺がん |
診療方法 | 体を高磁場におき、電波を共鳴反射させて、体の水素の状態を捉えて断面像にする。 |
診療目的 | 頭蓋底から顔、頚、脊髄、骨盤などの複雑な骨の近くの腫瘍の診断に特に役立つ。 |
有用性 | 良・悪性の判断がCTより分かりやすい。最も見やすい平面で撮れる。 骨に邪魔されないので、脳脊髄、軟骨が見やすい。さらに、脳血管、大動脈も分かる。 |
シンチレーションカメラシステム(診断)
主な対象がん | 甲状腺がん・骨腫瘍・悪性リンパ腫・リンパ腺転移・脳腫瘍 |
診療方法 | 一つの臓器に集まる薬に放射線を出す薬をくっつけて、注射し、その患者をシンチカメラで30分位かけて撮影。 |
診療目的 | 甲状腺がんが、見やすい。骨転移が、分かりやすい。どこにあるか分からないがんを探す。 |
有用性 | 目的とする臓器だけが写る。全身像を撮ることができる。 |
血管造影診断撮影システム(診断)
主な対象がん | 脳腫瘍・肝がん・膵がん・腎がん・小腸がん・膀胱がん |
診療方法 | 血管に造影剤をチューブから流してX線撮影する。 |
診療目的 | 血管が、がんで侵されている像やがんの血管を写し出すことにより、 大きさ・形状を浮き彫りにする。 |
有用性 | がんが、どの血管の系統にあるか、がんの位置、周囲との関係について 最も精密に分かる。 がんの血管に抗がん剤を流すこともできる。 |
マイクロセレクトロンHDRシステム(治療)
主な対象がん | 子宮がん |
診療方法 | 体腔内に放射線源を入れ、ピンポイントでがん細胞に放射線を照射する。 |
診療目的 | ピンポイントで、がん細胞に放射線を照射し治療を行う。 |
有用性 | 手術と同様な成果。 |
DRX線テレビ装置(診断)
主な対象がん | 胃がん・食道がん・大腸がん |
診療方法 | 通常の食道、胃検査及び注腸検査方法。 |
診療目的 | がんの発生部位、形状、進行状態の把握。 |
有用性 | 食道等の早い動きのある部位や胃、腸の煽動のある部位をタイミング良く撮影することができる。 |
DRX線テレビ装置(内視鏡併用)
主な対象がん | 肺がん・胆のうがん・十二指腸がん・総胆管がん・膵がん |
診療方法 | 気管支や胆管・膵管に内視鏡ガイドでチューブを入れ、造影剤を注入し、X線撮影。 |
診療目的 | それら管腔の圧迫、閉塞の形を捉え、がんの大きさ、位置を知る。 |
有用性 | がん存在の正診率は血管撮影と同様に高い。抗がん剤注入治療にも大いに役立っている。 |