臨床研究センター
研究実績
山口県における Japanese Pediatric Asthma Control Program(JPAC)を用いた小児気管支喘息実態調査2008年と2012年の比較
山口県立総合医療センター 小児科
1. 臨床研究について
この研究は、当院臨床研究倫理審査委員会の審議に基づく病院長の許可を得て行います。患者さんから得たデータが、研究対象のデータとなるため、研究を実施することへの科学的および倫理的な妥当性が審査されます。
2. この研究の背景と目的
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(Japanese pediatric guidelinefor the treatment for childhood asthma; JPGL)2008 から気管支喘息患者さんの長期管理において治療ステップを考慮した重症度、いわゆる「真の重症度」を重視することが掲げられています。また、JPGL2012 では「コントロール状態」を継続的に評価し治療および管理を行うことを推奨しています。つまり、長期管理薬の不足あるいは過剰投与を避け、良好なコントロール状態を維持して生活の質の改善を図り、呼吸機能の正常化を目指すよう示しています。診療の際にこれらの評価を行うために有用なツールとして、Japanese pediatric asthma control program (JPAC) やChildhood Asthma Control Test (C-ACT) が利用されています。JPAC は西牟田らによって 2008 年に開発され、JPAC を使用することにより患者さんの真の重症度を把握でき、治療のステップアップやステップダウンを行う際の判断の参考になります。さらに地域の気管支喘息患者さんのデータを継続的に解析することで、その地域における喘息治療の現状把握と経時的変化の評価が可能になり、気管支喘息管理の向上にも寄与できると考えられます。
そこで JPAC を用いて、山口県内の小児気管支喘息患児の重症度とコントロール状況を調査することにしました。
3. 方法
2008 年 11 月から 2009 年 1 月、2012 年 11 月から 2013 年 1 月にそれぞれ山口県内の診療施設で長期管理を受けている気管支喘息患者さんを対象に記載いただいた JPAC を用いて総点数と喘息のコントロール状況、治療ステップを考慮した重症度を比較します。
4. 利害
振り返りのデータ分析のため、医学的な介入はありません。そのため、患者さんの体に害を及ほ゛すことは一切ありません。
5. プライバシーの保護
今回の研究で得られた結果は、学会等で発表することはありますが、その場合でも患者さんのプライバシーは守られます。患者さんの名前、性別等の個人情報が漏えいすることはありません。
6. 同意と拒否
この度の研究計画をホームページ上に掲載することにより、直接の説明や同意をいただく手続きに代えさせていただきます。対象者に含まれていると考えられ、本研究に同意いただけない方は担当者までこ゛連絡ください。データを削除します。こ゛連絡がない場合は、貴重なデータとして本研究に活用させていただきます。
7. 担当者
施設名:山口県立総合医療センター(代表:0835-22-4411)
責任者:小児科部長 清水美保