消化器内視鏡内科・消化器内視鏡センター
食道がんに対する光線力学的療法(Photodynamic Therapy:PDT)
光線力学的療法(PDT)とは、腫瘍親和性のある光感受性物質(PDT に使用する薬剤)を投与した後、腫瘍組織にレーザ光を照射することにより光化学反応を引き起こし、腫瘍組織を変性壊死させる選択的治療法です。
この抗腫瘍効果は、レーザ光と光感受性物質との光化学反応によって生成される一重項酸素(活性酸素の一種)の強い酸化作用によります。
PDT は、レーザ光照射部位だけに高い抗腫瘍効果を示す局所的な治療法であるため、外科療法に比べ侵襲が少なく機能温存が可能です。一方で、光感受性物質により光線過敏症を起こす事があり、注意が必要です。
2023年10月現在で、山口県内で本治療ができるのは当院のみです。
本治療の適応
化学放射線療法 又は放射線療法後の局所遺残再発食道癌
本治療の流れ
治療当日の午前中に光感受性物質の注射を腕の静脈から行います。その後4時間程度経ってから治療(内視鏡を使ってレーザー照射)を開始します。注射のあとは遮光(光を避けること)が必要ですので、以下の点に注意が必要です。
- 注射後は当日から3日間はサングラスをかけてください
- 1週間後までは直射日光をさけ、さらに遮光カーテンを用いて照度500ルクス以下に調整した室内で過ごしてください。
- 1週間が経過した後も4週間以内はできるだけ直射日光は避けてください。また外出する場合は帽子、手袋、長袖等の衣服やサングラスの着用により、出来るだけ直射日光にあたらないようにしてください。