臨床指標(クリニカルインディケーター)

臨床指標(クリニカルインディケーター)とは、医療の質を定量的に評価する指標のことで、医療の過程や結果から課題や改善点を見つけ出し、医療の質の向上を目的とするものです。これにより医療の質を客観的に評価することが可能となるので、最近は質(評価)指標という用語もよく使われています。

医療の質は、1.構造(ストラクチャー Structure) 2.過程(プロセス Process) 3.結果(アウトカム Outcome)の 3 つの側面について評価されることが一般的です。

当院が測定している指標をホームページに公表し、最適の医療を提供できる病院となるため、改善を図り医療の質の向上に努めていきたいと考えております。

1.病院概要・患者属性

病院基本データ

診療科数 30
  病床数 504
    一般病床 490
    救命救急センターハイケアユニット(HCU) 6
  集中治療管理室(ICU) 12
  新生児集中治療管理室(NICU) 12
  小児入院医療管理料病床 23
  無菌治療室 6
  感染症病床 14

 

専門・認定看護師

  認定看護管理者 1
  がん看護専門看護師 2
  急性・重症患者看護専門看護師 1
  皮膚・排泄ケア認定看護師 1
  がん性疼痛看護認定看護師 1
  がん化学療法看護認定看護師 1
  集中ケア認定看護師 2
  新生児集中ケア認定看護師 1
  緩和ケア認定看護師 1
  感染管理認定看護師 3
  摂食・嚥下障害看護認定看護師 1
  救急看護認定看護師 1

 

病院情報

平成 30 年度
  1日平均入院患者数(人) 399.7
  平均在院日数(日) 14.6
  一般病床利用率(%) 81.6
  1日平均外来患者数(人) 808.4
  1日平均救急患者数(人) 33.5
  手術件数(件) 4,762
  ボランティア登録人数(人) 32
  クリニカルパス使用患者数(人) 3,685
  外来化学療法件数(件) 4,305
  敷地内禁煙実施 あり
  インターネット接続環境(患者さん用) あり(火・金)
※きららサロン
10:30~15:00

 

地域連携

平成 30 年度
  紹介率(%) 80.5
  逆紹介率(%) 91.3
  登録医数(人) 215

 

医療相談

平成 30 年度
  医療・福祉相談件数(件) 5,644
  がん相談件数(件) 1,680
  セカンド・オピニオン件数(件) 14

 

チーム医療

平成 30 年度
  感染対策チーム あり
  栄養サポートチーム あり
  緩和ケアチーム あり
  褥瘡ケアチーム あり
  呼吸療法サポートチーム あり
  精神科リエゾンチーム なし

 

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2.医療の質に関する指標

患者満足度

  平成 30 年度 参考値 ※1
  外来患者満足度 81.5点 79.7点
  入院患者満足度 86.9点 85.5点

 

計算方法

平成30年11月12日~平成31年1月18日外来患者(回答者数325人)、平成30年11月12日~平成31年1月18日入院患者(回答者数392人)に対して、性別、年齢、当院の選択理由、総合評点、個別項目の満足度を調査した。非常に満足を100点、満足を75点、どちらとも言えない50点、やや不満25点、不満0点として平均評価点を算出した。

結果・考察

外来部門、入院部門ともに調査病院平均よりも上回っている。

外来部門については、医師及び看護師の接遇面に対する満足度が大幅に向上した。特に、「看護師の説明のわかりやすさ」や、「医師への質問や相談のしやすさ」の満足度が高く、診察面全般の満足度向上に繋がっている。

入院部門については、接遇面や診療サービス面全般に関する満足度は高いものの、建設後30年以上経過していることから、「トイレ、洗面、給湯等の設備」などの施設面に対する満足度が低い。

全体的に接遇面及び診察・診療面に対する満足度が向上しているため、今後も継続して高い評価を受けられるよう、患者サービスの充実に取り組んでいきたい。

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3.病院全体に関するプロセス指標

肺血栓塞栓症の予防対策実施率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 94.4% 89.7%
  平成 30 年 7~9月 91.4% 90.4%
  平成 30 年 10~12月 93.4% 90.6%
  平成 31 年 1~3月 90.8% 89.9%

 

計算方法
分子:分母のうち、抗凝固療法または肺血栓予防管理が実施された件数
分母:中リスク以上の手術件数

 

結果・考察

予防策について調査対象の病院平均より上回っている。今後ともさらなる努力をしていきたい。

手術開始 1 時間以内の予防的抗菌薬投与率

  平成 30 年度 参考値 ※2
手術開始 1 時間以内の
予防的抗菌薬投与率
88.3% 93.6%
 ◎ 参考値は特定の手術に関する投与率

 

計算方法
分子:手術開始前 1 時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された患者数
分母:手術室にて手術が施行された患者数

 

結果・考察

手術開始前の抗菌薬の投与率は以前よりも改善されていたが、未だ参考値よりも低値であった。投与されなかった理由は以前と同様で、手術開始までに 1 時間以上かかった例や抗菌薬に対するアレルギーなど稀な症例が存在しました。また、声帯ポリープ切除のように全身麻酔は必要であるが、抗菌薬を使う必要がない例が含まれており、投与しない例も適切に対処されていました。
今後も手術に関連した感染症の発生についても検証していきます。

精神科病院入院からの身体疾患受入れ頻度

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 2.8 1.2
  平成 30 年 7~9月 0.8 1.1
  平成 30 年 10~12月 1.6 1.2
  平成 31 年 1~3月 1.6 1.2

 

計算方法
分子:精神科入院からの身体疾患受入れ患者数
分母:病床100床あたり

 

結果・考察

精神科疾患患者の身体的入院受け入れについては1四半期において、参考値を下回ったが、それ以外は上回っており、公的病院としての役割を十分に果たしている状態と考えられる。引き続き協力していく。

地域医療機関サポート率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 55.9% 60.2%
  平成 30 年 7~9月 56.6% 59.9%
  平成 30 年 10~12月 54.4% 58.9%
  平成 31 年 1~3月 60.1% 58.1%

 

計算方法
分子:二次医療圏内で紹介を受けた医科医療機関数
分母:二次医療圏内医科医療機関数

 

結果・考察

サポート率が参考値より、年度をとおしてほぼ下回っており、再度、地域連携室として、地域医療機関への働きかけを行い、サポートの充実に努めて行きたい。

地域分娩貢献率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 20.1% 28.8%
  平成 30 年 7~9月 21.9% 28.7%
  平成 30 年 10~12月 22.2% 27.7%
  平成 31 年 1~3月 26.7% 28.3%

 

計算方法
分子:院内出生数
分母:二次医療圏出生数
(住民登録がなされているうち生年月日が調査期間のもの)

 

結果・考察

年度をとおして参考値より下回っている。周産期母子医療センターを抱え、域外からの出産も受けているが、二次医療圏内にも引き続き貢献していきたい。

地域救急貢献率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 19.2% 28.3%
  平成 30 年 7~9月 18.4% 28.9%
  平成 30 年 10~12月 18.4% 28.1%
  平成 31 年 1~3月 20.2% 28.4%

 

計算方法
分子:救急車来院患者数
分母:二次医療圏内救急車搬送人数

 

結果・考察

地域救急貢献度が、全般的に低い状態の数値となっている。二次医療圏の救急貢献率としては1/5程度になっているが、ホットラインの応需率は99%程度であり、地域救急には十分貢献している。これからも三次救急を主に活動しているが、二次救急についても、二次救急病院の穴を埋めていきたい。

クリニカルパス使用率(患者数)

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 38.4% 42.6%
  平成 30 年 7~9月 43.6% 41.3%
  平成 30 年 10~12月 43.6% 43.0%
  平成 31 年 1~3月 35.3% 43.0%

 

計算方法
分子:パス新規適用患者数
分母:新入院患者数

 

結果・考察

救急患者やハイリスク患者が多いために、パス使用率が少ないが、今後とも、適用率の向上を目指したい。

脳卒中連携パス使用率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 44.2% 14.1%
  平成 30 年 7~9月 44.1% 15.5%
  平成 30 年 10~12月 31.7% 13.5%
  平成 31 年 1~3月 57.7% 15.1%

 

計算方法
分子:急性脳梗塞生存退院患者のうち、
脳卒中パスで地域連携診療計画加算を算定した患者数
分母:急性脳梗塞患者の生存退院患者数

 

結果・考察

脳卒中連携パスの使用は二次医療圏を超えて、運用が行えるようになり、大幅に改善した。今後も連携に努めて行く。

大腿骨地域連携パス使用率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 40.0% 22.3%
  平成 30 年 7~9月 33.3% 21.7%
  平成 30 年 10~12月 50.0% 20.7%
  平成 31 年 1~3月 57.1% 19.0%

 

計算方法
分子:退院症例数のうち、
「地域連携診療計画加算」が算定された症例数
分母:医療資源を最も投入した傷病名が大腿骨頸部骨折
(大腿骨頸部骨折骨接合術、大腿骨頸部骨折人工骨頭置換術等を実施している場合に限る)
に該当する退院症例数

 

結果・考察

大腿骨地域連携については、まだ、始めたばかりなのでばらつきがあるが、連携を取って、100%を目指したい。

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4.病院全体に関するアウトカム指標

感染症発生頻度

    発生頻度(%) 平成 29 年度 参考値 ※3
  乳房切除術後 2.1% 1.6%
  人工膝関節術後 0.5% 0.7%
  人工股関節術後 0.4% 0.7%
  ICU 人工呼吸器関連肺炎 0.0% 1.3%
  ICU 尿路感染 0.0% 0.7%
  ICU カテーテル関連血流感染 0.0% 0.7%
  NICU 感染症発生患児 0.0% 3.4%
   ◎ 毎年10月に公表される厚生労働省のデータを使用。

 

計算方法
分子:分母の集団に対する感染した患者数
分母:それぞれの入院患者総数

 

結果・考察

乳房切除術後、人工膝関節術後、人工呼吸器関連肺炎に感染が認められ、予防的抗菌薬の投与を含めて更なる対策を行っていく。人工膝関節の手術件数は全国平均の4倍である。

在宅復帰率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 90.1% 89.6%
  平成 30 年 7~9月 92.5% 89.2%
  平成 30 年 10~12月 91.1% 89.0%
  平成 31 年 1~3月 93.4% 89.1%

 

計算方法
分子:退院先が自宅等の患者数
分母:退院患者数

 

結果・考察

在宅復帰率は参考値をやや上回っている。当院では脳卒中患者も多く、回復期リハビリを要する患者が多い。

転倒・転落レベル2以上発生率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 0.00022 0.00079
  平成 30 年 7~9月 0.00020 0.00085
  平成 30 年 10~12月 0.00025 0.00075
  平成 31 年 1~3月 0.00028 0.00079

 

計算方法
分子:入院患者転倒・転落レベル2以上該当件数
分母:入院延べ日数

 

結果・考察

転倒転落をゼロにすることは出来ないが、参考値と比べても大幅に低いことが判る。今後、さらなる努力をおこなっていく。

褥瘡推定発生率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 0.008 0.016
  平成 30 年 7~9月 0.009 0.015
  平成 30 年 10~12月 0.015 0.016
  平成 31 年 1~3月 0.015 0.019

 

計算方法
分子:入院時に褥瘡なく調査日に褥瘡を朋友する患者数

入院時に褥瘡あり、他部位に新規発生の患者数
分母:調査日の在院数【入院当日は除外】

 

結果・考察

褥瘡についてはゼロにすることは出来ないが、参考値と比べても大幅に低いことが判る。看護の質の向上により、低頻度に抑えることが出来ている。今後、さらなる努力をおこなっていく。

糖尿病入院栄養指導実施率

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 78.6% 79.2%
  平成 30 年 7~9月 86.7% 78.9%
  平成 30 年 10~12月 87.5% 74.6%
  平成 31 年 1~3月 83.3% 77.0%

 

計算方法
分子:2型糖尿病(ケトアシドーシスを除く)退院患者のうち、
栄養指導が実施された患者数
分母:2型糖尿病(ケトアシドーシスを除く)の退院患者数

 

結果・考察

糖尿病栄養指導率は向上しており、当院で継続診療する症例は難治例が多いが、教育入院、管理栄養士の指導などさらに充実していきます。

職員インフルエンザワクチン接種率

  平成 30 年度 参考値
職員インフルエンザワクチン接種率 95.5%

 

計算方法
分子:職員(嘱託・アルバイトを含む)インフルエンザワクチン接種人数
分母:職員数(嘱託・アルバイトを含む)

 

結果・考察

職員がインフルエンザに感染すると医療業務に支障を来します。アレルギー等で接種出来ない職員もいますが、感染対策に留意してワクチン接種を励行しています。

脳梗塞入院1週間以内のリハビリ強度

  平成 30 年度 参考値 ※4
  平成 30 年 4~6月 13.1 11.5
  平成 30 年 7~9月 15.4 12.5
  平成 30 年 10~12月 13.1 11.0
  平成 31 年 1~3月 11.7 10.7

 

計算方法
分子:分母の患者の入院7日目までのリハビリテーション施行単位合計
分母:一週間以上入院した急性期脳梗塞症例数

 

結果・考察

急性脳梗塞患者に対する早期リハビリの導入は、リハビリは治療であると言われている。さらなるリハビリの早期開始に向けて努力する。

 

 

参考値は下記を参考にしています。
※1
株式会社サーベイリサーチセンターによる平成29年度患者満足度調査の結果
※2
日本病院会 : QIプロジェクト結果報告 2017年度
※3
厚生労働省 院内感染対策サーベイランス 2017年報告の手術部位感染部門
※4
公益社団法人全国自治体病院協議会 医療の質の評価・公表等推進事業(平成 30 年度)の臨床評価指標

 

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